歯と美容と健康のコラム

医療ホワイトニングでより安全・確実に白い歯を 

近頃スポーツジムの一部やセルフホワイトニングなど非医療ホワイトニングが氾濫し、「実際のところ本当に白くなるのかな?」「安全なのかな?」など色々と疑問があると思います。

今回は当院でも取り扱いのある医療ホワイトニングについて改めてお伝えしようと思います。

 

ホワイトニングの歴史

ホワイトニングの歴史を紐解くと、1884年に海外で過酸化水素を用いた歯の漂白が行われたことが確認されており、1918年には過酸化水素を成分とするホワイトニング材が販売されたことが始まっています。
それから様々な企業が研究を重ねながら100年以上経過しているのですが、今歯科医院の現場でホワイトニング剤に使われているのが過酸化水素、過酸化水素を発生する過酸化尿素です。


前途の1918年の製品は今も販売されているそうです。

つまり、ホワイトニングのエビデンスとして過酸化水素か、過酸化水素を発生できる過酸化尿素が必要であることがわかります。

それらを扱えるのは歯科医師、歯科衛生士の国家資格が必要なのです。
漂白の効果を確認されている薬剤を、歯科医師、歯科衛生士が正しく使い、安全で確実に歯を白くするということに繋がります。

 

また美容室やエステサロンに類する店舗での歯のホワイトニングとして行われるのは「医薬部外品」や「化粧品」を使用した歯のクリーニングに相当する行為と推察されます。

過酸化物を使用しないため歯の内部へのアプローチができません。

つまり、歯の表面の汚れを除去するということになります。

 

ここから医療ホワイトニングについて掘り下げて説明します。

医療ホワイトニングは、歯科医院で歯科医師の検査・診断の結果に基づいて、

歯科医師、あるいは歯科衛生士(当院は歯科衛生士)が国によって認められているホワイトニング剤を用いて行うホワイトニングと定義されています。

医療ホワイトニングでは歯の表面の着色だけでなく、歯の内部にも漂白作用が及ぶということです。

非医療ホワイトニングに類するセルフホワイトニング美白用歯磨剤では過酸化物を使用しない為、歯の内部へのアプローチは出来ず、表面の着色を除去することにとどまります。

この差がホワイトニングの結果や満足度の大きな差をもたらします。

医療ホワイトニングは歯科医師、歯科衛生士が施術・管理を行うことも特長です。

 

診療の流れ

 

ステップ1
カウンセリング

ステップ2
適応症か非適応症の診断

ステップ3
ホワイトニング法の選択

ステップ4
ホワイトニングの施術

ステップ4
専門的色彩記録

ステップ4
効果の判定

ステップ4
メインテナンス、タッチアップ

などからなります。

これらを歯科医師、歯科衛生士が管理することで安全性と有効性が認められた確実なホワイトニングを提供できるのが医療ホワイトニングだといえます。

 

ホワイトニングの大きな価値、歯周病とう蝕の予防効果について

近年の研究では医療ホワイトニングが歯周病やう蝕の予防にもなることが明らかになってきました。
歯周病に対するホワイトニング効果はホームホワイトニング材の成分である過酸化尿素が分解されると酸素を発生することから、歯周疾患の原因である嫌気性菌を殺菌する作用を期待したものです。

ホワイトニング材の直接的な作用ではありませんが、ホワイトニングによって患者さんの行動変容が促されることも予防を後押しする要素となります。
ホワイトニングが終了すると、歯のケアの意識が高まり、結果的にう蝕や歯周病予防に繋がることが多いようです。

またバイオフィルムを徹底的に除去した状態にホワイトニング材を作用させることでバイオフィルムの細菌の構成が変わり、再結成した場合に低病原性を維持できるということがわかってきました。
プロフェッショナルケアとホワイトニングの組み合わせによってプラークの質のコントロールもできているということです。

またセルフケアでは高濃度のフッ素を含む「ルシェロホワイト プレミアムケア」などの歯磨剤を使用してもらうとホワイトニングによる予防効果の有効活用となります。

医療ホワイトニングに使用される製品は我が国で安全性と有効性が認められ、安心して処置に使用できます。歯科医師、歯科衛生士がホワイトニングに関する知識を常にアップデートし、適切なコンサルテーションと施術・管理・メインテナンスを行ってこそ、医療ホワイトニングの真価を発揮できることと思います。

当院には、日本審美学会のホワイトニングの講習を受け、認定試験に合格したホワイトニングコーディネーターの認定資格を持つ歯科衛生士も在籍しております。

お気軽にご相談ください。

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